日本人の中で、野球を知らない人はあまりいないと思います。プロ野球が行われている時期ともなれば、大体テレビ放送していますし、春や夏の甲子園での高校野球もテレビ中継していますしね。ルールに関しても、詳しいことまでは知らなくても、とりあえず観戦する程度であれば何の問題もないくらいの知識は持っているものと思います。ところが、野球のルールブックを見てみますと、実はものすごく分厚いことがわかります。おそらく、数あるスポーツの中でも、一番ルールが多いのがこの野球ではないでしょうか。まあ、それくらい野球には事細かなルールが存在しているのですが、それを全部挙げていたらキリがありません。そこでここでは、一般にはわかりにくいルールや、めったに出ないけれども知っておいたほうがいい野球のルールに絞って見ていきましょう。 |
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ボークに関するルール
ボークは反則投球のことで、ルールに反した投球をピッチャーがした場合に審判から宣告されることで成立します。本来ボークとは、ランナーがいるときのみに規定されており、ボークがあった場合はすべてのランナーが一つずつ進塁します。では、具体的にどのような場合にボークが宣告されるのでしょうか。
投球に関するボーク
ピッチャーがバッターに投球する時に成立するボークです。ランナーがいない場合に以下のボークをしてしまったら、バッターにはワンボールが与えられるルールになっています。代表的なものを挙げてみましょう。
・プレートを踏まずに投球する
説明不要ですね。マウンドにはプレートが埋め込まれていますが、ピッチャーは軸足をプレートに接触させながら投球しなければなりません。
・セットポジションの状態で一旦静止しないで投球する
セットポジションとは、ピッチャーがバッターに対して横向きの体勢を取り、両手を一旦胸や腹の前で合わせた後に投球するフォームのことです。この、両手を合わせた時にピッチャーは一旦静止しなければなりません。
・2段モーション
ピッチャーは、バッターに投球するモーションに入ったら、静止しないで投げなければいけません。ただし、どれが2段モーションに該当するかは審判によって見解が異なっており、どこまではOKでどこからがボークになるのかは極めて曖昧です。
・投球モーションに入った後、バッターに投球しない
例えば、ピッチャーがバッターに投げるふりをしてボールを投げないとか、モーション中にボールを落っことしてしまった場合などがこれに該当します。
牽制球に関するボーク
ピッチャーはランナーが出た場合は、ランナーのいる塁に対して牽制球を投げることができますが、ルール違反の牽制球をしてしまうとボークになります。基本的に以下のボークは、プレートをピッチャーが踏んでいるときに適用されます。プレートを踏んでいなければボークにならないことが多いですが、その場合は投球に関するボークに当てはまることもあります。
・ランナーがいない塁に牽制球を投げる
例えば、2塁にしかランナーがいないのに1塁に牽制球を投げたりするとボークになります。これはピッチャーがプレートを踏んでいようと踏んでいなかろうとボークになります。
・プレートに触れた状態で、牽制球を投げる塁に足を踏み出さないで牽制する
例えば、3塁にランナーがいる状態で、バッターに向かって投球するつもりで足を踏み出しているのに3塁に牽制球を投げるとボークになります。
・プレートを踏んだ状態で、牽制球を投げるふりをする
よく左ピッチャーが、1塁にランナーがいる時に牽制球を投げることがありますが、牽制球を投げるモーションなのにもかかわらず牽制球を投げなかった場合はボークになります。
・セットポジションではないのに牽制球を投げる
ピッチャーがセットポジションでない時には牽制球を投げることはできません。
その他のボークに関するルール
・ボールを持たずにプレートを踏む・プレートを跨ぐ
たまに隠し球というのをプロ野球でやることがあります(高校野球ではらしくないという理由で、行われることはまずありませんが)。これは、ランナーがいる塁の野手がボールを隠し持って、ランナーがリードしたらアウトにしようとするある意味卑怯な戦術ですが、この時ピッチャーはボールを持っていないので、プレートを踏んだり跨いだりすることはできません。
・ボールに細工をする
例えば、グローブの中に松ヤニや鉄やすりなどを仕込んでボールに細工して投げるとボークになります。悪質な場合は退場になることもあります。とはいっても、物的証拠がなければ細工したかどうかを見分けるのは難しく、実際にボークとして認定できるかどうかは難しいところです。実際に現役時代にボールに細工しまくって一度もばれず、引退してから告白したというピッチャーもいるようです(ただしアメリカのピッチャー)
他にもボークに関するルールが事細かに規定されていますが、実際の野球観戦中に見ることのできるボークはこれくらいです。ボーク自体頻繁に出るわけではないんですけどね。
インフィールドフライと故意落球
テレビで野球を見ていると、「審判がインフィールドフライを宣告しました」などとアナウンサーが言うことがあります。インフィールドフライは
・ノーアウト、またはワンアウトの時であり、
・ランナーが1塁2塁、もしくは満塁の時
にバッターが内野フライを打ち上げた場合、審判が宣言することで成立します。ただし、ライナーの場合と、バントで小フライになった場合には宣告されません。インフィールドフライが宣告されるとバッターはその時点でアウトになります。インフィールドフライを内野手が落としたとしてもバッターはアウトです。これは、わざとフライを落としてダブルプレーを狙うのを防止するためのルールです。もしこのルールがなかったら、みんな内野フライを落としてダブルプレーを取るようになるでしょう。そういった姑息な手段を禁止しているルールなのです。また、似たルールとして、故意落球というのがあります。これは、フライやライナーを野手が「一旦グローブに当てて」落とすというプレーのことで、もし故意落球だと審判が認定した場合は、バッターは無条件でアウトになり、ランナーは元いた塁に戻されます。これもやはりわざと落としてダブルプレーにしようという姑息な手段を防止するためのルールです。従って、ノーアウトまたはワンアウトで、1塁にランナーがいる時にのみ適用されます。インフィールドフライとの大きな違いは、ライナーやバント小フライの時にも適用されることです。ですから、注意して野球中継を見ているとわかりますが、バント小フライの時は、必ず野手は「グローブに当てないで」ワンバウンドさせているはずです。こうしないと故意落球が宣告されて、ダブルプレーを狙えないからです。まあ、わざとワンバウンドさせるというのも姑息な手段のような気がしないでもないですが、ルールでそう決められているので仕方ありません。
アピールプレー
野球は、三振したり、フライを取られたりなど、ルール上アウトになるケースがほとんどですが、守備側が審判にアピールしない限りアウトにならないというケースがいくつか存在します。これをアピールプレーと言います。アピールすることでしかアウトにできない場合、審判はそれがアウトになるとわかっていても宣告せず、守備側からアピールされて始めてアウトが宣告されます。では、どのような場合がアピールプレーに該当するのでしょうか。代表的なものを見てみましょう。
ランナーのベースの踏み忘れ
ランナーは1塁から順にベースを踏んでいかなければなりませんが、ごくまれにベースを踏み忘れる場合があります。ホームラン打ったのにベース踏み忘れてしまった選手もいましたね。勿論ルール違反なのですが、この場合は守備側が「あの人ベース踏んでませんよ」と審判にアピールしなければいけません。アピールが認められた場合、ベースを踏み忘れた人はアウトになります。アピールせずに次のバッターにピッチャーが1球でも投げてしまうと、もうアピールは認められず、そのまま試合が進行されてしまいます。
タッチアップが早い
2006年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)のアメリカ戦でこのプレーがありましたので、見ていた人は覚えているかと思います。フライの場合、ランナーはベースに触っていなければならず、野手がフライを取って始めてベースを離れることが可能となります。従って、3塁にランナーがいる場合、外野フライになれば3塁ランナーはベースにくっついて取った瞬間に走れるようにしています。このプレーをタッチアップといいますが、この野手がボールを取る前にランナーがベースを離れた場合、守備側はやはり審判にアピールしなければなりません。これもベースの踏み忘れと同じく、ピッチャーが次のバッターに1球でも投げてしまうと、ルール違反がなかったことになってしまいます。
打順の間違い
プロ野球や社会人野球、高校野球などは、いちいち次のバッターをアナウンスしてくれますし、見ている側も背番号などで一発でわかりますから、まず起こることはありえませんが、少年野球や草野球などでは起こることがたまにあります。これも、守備側が審判にアピールしなければ認められません。ただし、打順の間違いは他のアピールプレーと少し違い、アピールした時点でアウトになるとは限りません。打順を間違えたバッターが打ち終わった直後にアピールすると、バッターはアウトになります。打ち終わる前にアピールすると、正しい打順の人が間違えた人のカウントを引き継いでプレー続行になります。やはりこのアピールも、次のバッターに投球する前にアピールしなければ無効になります。
敗退行為
野球には他のスポーツにはないルールが一つ規定されています。普通のスポーツは、勝ち負けのルールは決められてはいますが、それだけです。野球の場合は、「勝つことを目的としてプレーしなければならない」という趣旨がルールに書かれています。誤解を恐れずに言ってしまえば、他のスポーツは勝ちを目指さずに適当にやっても別に構わないのに対し(ただ、ファンはいなくなると思いますが)、野球の場合は、勝ちを目指さない行為をやってはいけないとルールで決まっているのです。勝つことを目指さずにわざと負ける行為のことを敗退行為と言います。本来は、八百長野球を避けるためにルール化されたものと思われますが、現在では、野球チームの監督の不可解な采配を揶揄する言葉として半分ネタとして使われている言葉になっています。例えば、好投しているピッチャーを、接戦なのにもかかわらず何の理由もなく交代させたり(そして交代したピッチャーが滅多打ちにあう)、出せば打たれるを繰り返しているピッチャーを大事な場面で起用したり(そして案の定打たれる)、絶好のチャンスにバッターよりも打率の低い選手を代打に起用したり(そしてあえなく三振する)など、わざと負けようとしてるとしか思えない采配ぶりを批判する時に使われているようですね。実際にはそんなことはないと思いますが・・・。監督も大変ですね。
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